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Tailscaleシリーズ第3編 — 動作原理とコスト・限界 (DERP・MagicDNS・hole punching・年1,100円振り返り)

この編で扱うこと シリーズ最終編です。2つのテーマをまとめます。 Part 1 — 動作原理: 本シリーズのインフラを成立させているメカニズム。家庭NAT 2重の奥にあるノートPC 2台がどうやって直通で通信するのか。STUN・ICE・hole punching・DERP・MagicDNSをひとまとめに整理します。 Part 2 — コスト・限界・振り返り: 年間1,100円インフ...

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Tailscale シリーズ 第1回 — 押し入れのノートPCで作る韓国IP経由インフラ(動機・実測・構造)

このシリーズで扱うこと 福岡で1年以上暮らしてきた中で、韓国IPが必要になる場面が地味に積み重なってきました。韓国の決済・銀行・一部のコンテンツは海外IPからは正常に動作しなかったり追加認証を要求してきたりして、そのたびに商用の韓国向けVPNを一時的にONにするやり方は、コスト・信頼性・OS互換性のどれを取ってもすっきりしませんでした。 解決策として、釜山の実家の押し入れに7年眠って...

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Span<T> と ReadOnlySpan<T> — コピーなしでメモリを眺める方法

序論: Boxing 編が残したコピーコスト 第 1 回 (値型 vs 参照型と Boxing) の最後に一つの宿題を残しました。 “Boxing は避けられたが、struct そのもののコピーコストは残る。” Boxing 編の核心ルールを再掲します。 値型は代入・受け渡し・比較されるとき、内容全体がコピーされます。 このルールは普段は直感的で望ましいものです...

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値型 vs 参照型 — スタック・ヒープと Boxing の隠れたコスト

序論: 「スタック vs ヒープ」という説明が食い違う理由 C# の教科書の最初のページで、私たちはこう学びます。 “値型 (struct) はスタックに、参照型 (class) はヒープに格納されます。” この文章は間違いではないのですが、実務で直面するほぼすべての反例を覆い隠してしまいます。クラスのフィールドとして int を宣言すると、その int はスタックではなく...

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ナーフされたClaude — Transformerの動作原理から潜水艦パッチ・ハルシネーション・トークン爆増まで

序論 — Claudeは本当にナーフされたのか Claude Opus 4.6はしばらくの間、コーディング作業の基準線を一段階引き上げたと評価されていました。コードベース全体を投げつけても文脈を掴み、難しいリファクタリングを一発で終え、ツール呼び出し間の推論もクリーンでした。ところが2026年2月から異常な信号が蓄積され始めました。思考の深さ73%減少、トークン消費量122倍増加、St...

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CSロードマップ第9回 — スケジューリング: OSは誰にCPUを渡すのか

序論: 「誰に、どれだけ」の問題 前回はプロセスとスレッドが何で、OSがそれをどう抽象化するかを見ました。ここから自然に続く問いがあります。 Ready状態のスレッドが100個あってコアが8個なら、OSは誰にCPUを渡すのでしょうか? そしてどれだけの時間渡すのでしょうか? この2つの問いに答えるのがスケジューラ (Scheduler) です。そしてその答えが次の2つを決め...

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.NET エコシステムマップ — 言語・ランタイム・BCL の関係

序論: 「.NET」という言葉の曖昧さ 開発ドキュメント・履歴書・ブログで「.NET」という単語は、驚くほどさまざまな意味で使われています。 「.NET でバックエンドを書いています」 「.NET Framework 4.8 専用のプロジェクトです」 「.NET 8 に移行しました」 「Unity は .NET ではありません」 / 「Unity も実質的に .NE...